重要なお知らせ

Microsoft 365 法人向けプラン
2026年7月 価格改定の全貌

Copilot登場以来最大の値上げ。過去10年間の価格改定履歴と企業への影響を徹底解説

2026年7月1日
適用開始日
最大16.7%
値上げ幅
全プラン
対象範囲
Microsoft公式発表

Microsoft 365 の進化:新機能の追加と価格改定

2025年12月4日(米国時間) Microsoft Corporation ニコール・ハースコウィッツ(Microsoft 365およびCopilot コーポレートバイスプレジデント)

マイクロソフトは2025年12月4日(米国時間)、Microsoft 365 の商用ライセンスについて、2026年7月1日より価格を改定することを発表しました。約7ヶ月前の早期発表により、企業が十分な準備期間を確保できるよう配慮されています。この改定は、AI機能とセキュリティ機能の大幅な拡張に伴うものです。

「マイクロソフトでは、すべての組織がイノベーションを起こせるよう支援しつつ、人々が生産性を維持し、保護され、次に何が起こるかに備えられるよう取り組んでいます。4億3,000万人以上の人々がMicrosoft 365 アプリを利用し、Fortune 500企業の90%以上がMicrosoft 365 Copilotを信頼し使用している今、私たちはAI時代の未来に向けて、安全で革新的なソリューションを提供し続けることにコミットしています。」

— ニコール・ハースコウィッツ、Microsoft 365およびCopilot コーポレートバイスプレジデント

価格改定の背景

Microsoft公式ブログによると、今回の価格改定は以下の理由によるものです:

AI機能の大幅強化

2026年にMicrosoft 365 製品に順次提供されるAI機能の拡張。Copilot ChatがすべてのMicrosoft 365ユーザーに向けた「安全な業務用AIチャット」として統合されます。

セキュリティ機能の拡張

組織が複雑化する脅威の状況に対応できるよう、AIによって強化された追加のセキュリティと管理機能をMicrosoft 365に追加し、全体の価値を高めます。

継続的なイノベーション

過去1年間で、Microsoft 365、Security、Copilot、SharePoint の領域において1,100を超える新機能をリリース。今後も投資を続けます。

全ユーザーに提供される新機能

Copilot Chat

Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNoteで統合されたチャット体験を実現。作業の流れの中に組み込まれ、ユーザーの受信トレイや予定表を理解します。

高度なメールセキュリティ

Office 365 E3およびMicrosoft 365 E3にMicrosoft Defender for Office Plan 1を追加。フィッシング、マルウェア、悪意あるリンクを検知・防御します。

統合エンドポイント管理

Microsoft 365 E3およびE5に、IT部門がより迅速に問題を解決し、脆弱性を事前に検出し、デバイスの生産性を保つためのエンドポイント管理機能を追加。

Security Copilot(E5)

すべてのMicrosoft 365 E5顧客にSecurity Copilotを提供。70以上のMicrosoftおよびパートナーが開発したエージェントをすぐに使用可能。

Microsoft公式声明(原文引用)

「本日、2026年にMicrosoft 365 製品に順次提供される AI ・セキュリティ・管理機能の拡張を発表します。これらのイノベーションに伴い、2026年7月1日付で Microsoft 365 スイートの商用ライセンス価格を更新します。お客様が十分な計画の時間を確保するため、今このタイミングでアップデートを共有しています。」

出典: Windows Blog Japan - Microsoft 365 の進化:新機能の追加と価格改定(2025年12月5日公開)

適用スケジュール

2025年12月4日

公式発表

Microsoft(米国時間)が価格改定と新機能を正式発表

2026年1月〜6月

新機能の順次展開

AI・セキュリティ・管理機能が段階的に提供開始

2026年7月1日

新価格適用開始

商用ライセンスの価格改定が全世界で適用

2026年7月 価格改定の詳細

新機能追加に伴う全世界的な価格変更

適用日: 2026年7月1日

この変更は全世界で適用され、商用製品については地域ごとに市場調整が行われます。

Business Basic

$6.00
$7.00
+16.7%

新機能

  • URLチェック機能追加
  • Copilot Chat統合
  • セキュリティ強化

Business Standard

$12.50
$14.00
+12.0%

新機能

  • URLチェック機能
  • Copilot Chat統合
  • セキュリティ強化

Office 365 E1

$10.00
$10.50
+5.0%

新機能

  • URLチェック機能
  • セキュリティ強化

Office 365 E3

$23.00
$25.00
+8.7%

新機能

  • MDO Plan 1追加
  • 高度な脅威防御
  • Copilot Chat統合

Microsoft 365 E3

$36.00
$40.00
+11.1%

新機能

  • MDO Plan 1追加
  • Intune機能強化
  • エンドポイント管理
  • Copilot Chat統合

Microsoft 365 E5

$57.00
$62.00
+8.8%

新機能

  • Security Copilot追加
  • 高度なIntune機能
  • Cloud PKI
  • 特権管理強化

Office 365 E5

$38.00
$42.00
+10.5%

新機能

  • 高度なセキュリティ
  • コンプライアンス強化
  • Copilot Chat統合

価格について

表示価格は米ドル建てのリスト価格です。日本円での価格は為替レートと市場調整により決定されます。既存顧客は契約更新時に新価格が適用されます。

Microsoft 365 価格改定の歴史

2015年から2026年までの10年間の変遷

2026年7月

Copilot統合による大幅な機能拡張

値上げ

最大16.7%の値上げ

  • Copilot Chat全製品統合
  • Security Copilot(E5に追加)
  • Microsoft Defender for Office Plan 1追加
  • Intune高度機能追加(E3/E5)
  • URLチェック機能追加(Basic/Standard/E1)

理由: AI機能とセキュリティ機能の大幅な拡張

2025年2月

個人向けプランの大幅値上げ

値上げ

Personal: 約43%値上げ(¥14,900 → ¥21,300)

Family: 約30%値上げ(¥21,000 → ¥27,400)

  • Copilot機能の統合
  • AI機能の強化

理由: Copilot統合による価値向上

2024年4月

法人向けプランの為替調整

値上げ

約20%の値上げ

  • Business Basic: ¥650 → ¥750前後
  • Business Standard: ¥1,700 → ¥2,040
  • Business Premium: ¥2,780 → ¥3,298

理由: 為替変動による価格調整

💡 2020年比でBusiness Premiumは51%増(¥2,180 → ¥3,298)

2023年4月

円安対応の全面的価格改定

値上げ

オンプレミス: 20%、オンライン: 15%の値上げ

  • Microsoft 365 E3: 約15%増
  • Office 365 E3: 約15%増
  • 全プラン一斉値上げ

理由: 日本円の為替変動(円安)に伴う価格調整

2022年3月

10年ぶりの大規模価格改定

値上げ

8.5%〜15%の値上げ

  • Microsoft 365 E3: ¥3,910
  • Office 365 E3: ¥2,500
  • Office 365 E1: ¥1,090
  • Business Basic: ¥650
  • Business Premium: ¥2,390
  • Teams音声会議機能の標準統合

理由: 10年間で追加された1,400以上の新機能とTeams統合による価値向上

2015年1月

Office 365初の大規模値上げ

値上げ

最大30%の値上げ

  • 日本市場での価格調整
  • グローバル価格との整合性確保

理由:

  • 為替変動(急激な円安)
  • 競合他社のドル建てサービスとの価格競争力確保
  • 日本での価格がグローバル比で低すぎた調整

💡 日本マイクロソフトは「価値と価格のバランスの見直し」と説明

2011年

Office 365日本国内リリース

開始

法人向けOffice 365サービス開始

価格推移の可視化

主要プランの10年間の価格変動

プラン別価格比較表(USD)

プラン 2022年3月 2023年4月 2024年4月 2026年7月 累計上昇率
Business Basic $6.00 $6.00 $6.00 $7.00 +16.7%
Business Standard $12.50 $12.50 $12.50 $14.00 +12.0%
Business Premium $22.00 $22.00 $22.00 $24.00 +9.1%
Office 365 E1 $10.00 $10.00 $10.00 $10.50 +5.0%
Office 365 E3 $23.00 $23.00 $23.00 $25.00 +8.7%
Microsoft 365 E3 $36.00 $36.00 $36.00 $40.00 +11.1%
Microsoft 365 E5 $57.00 $57.00 $57.00 $62.00 +8.8%
Office 365 E5 $38.00 $38.00 $38.00 $42.00 +10.5%

価格推移の主要ポイント

継続的な値上げ傾向

2022年以降、ほぼ毎年値上げが実施されています。特に2023年と2024年の為替調整による値上げは日本市場に大きな影響を与えました。

AI機能による価値向上

Copilot統合により、2025年と2026年は機能価値に基づく値上げに移行。単なる為替調整ではなく、サービス価値の向上が理由。

プラン別の値上げ率の違い

Basic(16.7%)が最高、E1(5.0%)が最低。中小企業向けプランほど値上げ率が高い傾向。

Google Workspace との比較

代替ソリューションとしての選択肢を検討

Microsoft 365の値上げを受けて、Google Workspaceを代替または併用する企業が増えています。ここでは、両サービスの機能とコストを詳細に比較し、企業に最適な選択を支援します。

価格比較(2026年7月以降)

プランレベル
Microsoft 365
Google Workspace
価格差
エントリー
Business Basic
$7.00/月
Business Starter
$6.00/月
安い
M365が $1高い
スタンダード
Business Standard
$14.00/月
Business Standard
$12.00/月
安い
M365が $2高い
プレミアム
Business Premium
$24.00/月
Business Plus
$18.00/月
安い
M365が $6高い
エンタープライズ
Microsoft 365 E3
$40.00/月
Enterprise Standard
$23.00/月
安い
M365が $17高い

100ユーザー企業の年間コスト比較

Microsoft 365 Business Standard
$16,800/年
($14 × 100ユーザー × 12ヶ月)
vs
Google Workspace Business Standard
$14,400/年
($12 × 100ユーザー × 12ヶ月)
Google Workspaceで年間 $2,400(約36万円) 節約可能

主要機能比較

メール・カレンダー

メールサービス
Outlook Gmail
引き分け - どちらも優秀
ストレージ
50GB(Basic)/ 1TB+(他) 30GB〜5TB(プラン別)
プランによる

オフィスアプリ

文書作成
Word(高機能) Docs(シンプル)
Microsoft優位
表計算
Excel(最強) Sheets(基本機能)
Microsoft優位
プレゼン
PowerPoint Slides
Microsoft優位
リアルタイム共同編集
対応(改善中) 優秀(元祖)
Google優位

AI機能(2026年)

AIアシスタント
Copilot Chat(全プラン統合) Duet AI(別料金: $30/月)
Microsoft優位
AI機能の範囲
全アプリ統合 Gmail、Docs等
Microsoft優位

コラボレーション

ビデオ会議
Teams Meet(シンプル)
用途による
チャット
Teams(高機能) Chat
Microsoft優位

セキュリティ

高度な脅威防御
Defender統合(2026年強化) 標準セキュリティ
Microsoft優位
DLP・コンプライアンス
高度な機能 Enterprise以上
Microsoft優位

デスクトップアプリ

オフライン利用
完全対応(デスクトップ版) 限定的(ブラウザベース)
Microsoft優位
高度な機能
マクロ、VBA、高度な分析 基本機能のみ
Microsoft優位

総合評価とおすすめ

Microsoft 365 がおすすめの企業

  • Excel、PowerPointの高度な機能が必須
  • デスクトップアプリでのオフライン作業が多い
  • Teamsで高度なコラボレーションが必要
  • エンタープライズレベルのセキュリティが必須
  • AI機能(Copilot)を積極活用したい
  • Windows環境中心の企業
  • 既存のMicrosoftエコシステムとの統合
機能重視・高度な業務なら Microsoft 365

Google Workspace がおすすめの企業

  • コスト削減が最優先
  • シンプルな文書作成・共有で十分
  • リアルタイム共同編集が中心
  • ブラウザベースの作業が主流
  • スタートアップ・中小企業
  • クラウドネイティブな業務スタイル
  • シンプルで直感的なUIを好む
コスト重視・シンプル志向なら Google Workspace

ハイブリッド戦略も選択肢

一部ユーザーはMicrosoft 365、他のユーザーはGoogle Workspaceというハイブリッド運用も検討可能です:

パターン1: 経理・分析部門 → Microsoft 365(Excel必須)、他部門 → Google Workspace(コスト削減)
パターン2: 管理職・専門職 → Microsoft 365、一般社員 → Google Workspace
パターン3: 段階的移行:新規ユーザーはGoogle、既存ユーザーは継続

移行を検討する際の注意点

データ移行コスト

メール、ファイル、カレンダーの移行には時間とコストがかかります

ユーザー教育

新しいツールへの慣れには研修期間が必要です

既存システムとの統合

業務アプリケーションとの連携を再検証する必要があります

マクロ・VBAの互換性

Excelマクロは Google Sheets では動作しません

企業への影響と対策

コスト増への実践的なアプローチ

想定される影響

1

IT予算の圧迫

従業員100名の企業でBusiness Standardを利用している場合、年間約$1,800(約27万円)のコスト増加が見込まれます。

2

契約更新のタイミング

2026年7月以降の契約更新時に新価格が適用されます。早期の予算計画が必要です。

3

多年契約の検討

2026年6月までに契約すれば、契約期間中は旧価格が適用される可能性があります。

実践的な対策

1. ライセンス監査と最適化

  • 未使用・過剰なライセンスの削減
  • ユーザー別の必要機能の精査
  • 下位プランへの切り替え検討
  • 季節従業員等の柔軟な契約管理

2. 契約タイミングの最適化

  • 2026年6月までの多年契約検討
  • ボリュームライセンスの交渉
  • EA(Enterprise Agreement)の活用
  • リセラーとの価格交渉

3. 代替ソリューションの検討

  • Google Workspaceとの比較
  • ハイブリッドモデル(一部ユーザーのみMicrosoft 365)
  • オンプレミスOfficeとの組み合わせ
  • オープンソースツールの部分導入

4. 新機能の積極活用

  • Copilot機能による業務効率化
  • セキュリティ機能強化によるコスト削減
  • 他のセキュリティツール削減の可能性
  • ROI最大化のための社内教育

5. コスト分析とROI評価

  • 現在のライセンス利用状況の可視化
  • 業務効率化による時間削減の試算
  • セキュリティ向上による リスク軽減効果
  • 総保有コスト(TCO)の再評価

6. 段階的な導入戦略

  • 部門・役職別の段階的アップグレード
  • パイロットプログラムの実施
  • 効果測定とフィードバック収集
  • 全社展開のタイミング最適化

コスト影響シミュレーター

今すぐできるアクションチェックリスト

まとめ

Microsoft 365の2026年7月価格改定は、Copilot統合とセキュリティ機能の大幅な拡張に伴うもので、Copilot登場以来最大の値上げとなります。

重要ポイント

  • 適用日: 2026年7月1日(契約更新時)
  • 値上げ幅: 5.0%〜16.7%(プランにより異なる)
  • 最大値上げ: Business Basic(16.7%)
  • 新機能: Copilot Chat統合、Security Copilot(E5)、MDO Plan 1追加など
  • 過去10年: 継続的な値上げ傾向(特に2022年以降顕著)

推奨事項

  1. 今すぐライセンス監査を実施し、最適化の余地を確認
  2. 2026年6月までの多年契約を検討
  3. 新機能の活用によるROI向上を計画
  4. 2026年度IT予算に価格改定を反映
  5. 必要に応じて代替ソリューションと比較検討